Home>バックナンバー>2015春号TOP>施設紹介レポート

Q:一般の先生方が、治療を開始するときには、どんな薬剤を選択したらよいと思いますか。

杉本:まずSU薬の投与から開始しないことです。SU薬をいきなり高用量処方される先生が、まだときどきおられますが、低血糖が心配です。私はDPP-4阻害薬やビグアナイド薬から始めます。ドラッグナイーブといって、これまで治療をしたことがないような患者さんには、DPP-4阻害薬のみでうまくコントロールできることもあります。病歴の長い患者さんでは、DPP-4阻害薬だけでなく、いろいろな薬剤の組み合わせが必要になってきます。それでもコントロールができないときにはインスリンを使ったほうが良いでしょうね。

Q:先生が設立時からかかわっておられますJDDM(糖尿病データマネジメント研究会)の調査研究結果では、全体的に血糖コントロールは良くなってきていますね。

杉本:時代とともにHbA1cは下がっています(図3)。JDDMでは、同じ患者さんを診ているだけではなく、新しい患者さんも入ってきていますので、最近の薬を躊躇せずに使うなど、治療の選択肢が増えたことが大きいでしょうね。しかしHbA1cは下がっているものの体重は増えています(図4)。これは、日本全体で肥満症が増えていることも反映していますが、SU薬やチアゾリジン薬は体重が増えます。見かけの血糖コントロールは良くなっても、もしかしたら食事や運動療法がないがしろにされ、少し日常の生活療法への関心が緩んできている可能性がありますね。専門医も、そういった点をもう一度見直さないといけないと思っています。

図3 各年度の平均HbA1c推移