
Q:先生のところの患者さんは比較的若い方が多いようですが、高齢者と治療方針の違いはありますか。
福田: 基本的に年齢だけで治療方針を変えることはありません。高齢者の場合、個人差が大きく、合併症の有無などコンディションを考慮して、治療をすすめます。80歳でも合併症もなくお元気な方は100歳までお元気であることも多いので、今後20年を若い方と同じように比較的しっかり治療していく必要があります。一方、70歳でもすでに脳梗塞・心筋梗塞などを起こして合併症が出ているような方は、低血糖を絶対に起こさないよう緩やかにコントロールしていく必要があります。いずれにしても高齢者の糖尿病治療では低血糖を起こさないことを主眼にします。また高齢者では、ロコモティブシンドロームを合併し運動療法ができない方も多く、だからといって食事を絞るとサルコペニアとなりますので、なかなか難しいです。若い方は罹病期間が長くなるので、より一層厳しくコントロールするというスタンスです。しかし、仕事と両立させながら治療を続けるのは、難しいところがありますし、若い方ほど病気を甘くみがちですから、いかに治療に関心を向けてくれるかが鍵となるでしょう。
本来、食事と運動療法だけで、治療ができる方もいますが、それだけですと非常に治療中断の率が高くなります。そこで少量の薬剤投与を中断防止に活用することもあります。そして、患者さんを怒ったりするのは避けたいですね。治療中断の原因になります。中断期間が長くなるほど、合併症の発症率も上がるので、治療中断が一番よくありません。コントロールが多少悪くても通院を継続してもらうのが一番大切です。
先生の“糖尿病は「腹やせ」で治せ!”(アスキー新書)のあとがきには、「患者さん自身が糖尿病というものを知ることが食事、運動など生活習慣を改善する近道である」と述べられています。ふくだ内科クリニックでは患者さんに糖尿病をより理解していただくために、さまざまなコミュニケーションの工夫をされているのが印象的でした。



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