⑥介入6か月後の課題
HbA1cは6.1%、体重は71.8kg(2か月後)まで減少したが、3か月以降体重は8kg増加した。•朝食を抜くことがあり、朝食に野菜を摂取できていない。
•食べる順番は守っているが、週に1-2回は宴会があり、アルコールも飲みはじめた。空腹感があるときはコンビニの茹で卵、唐揚げを食べている。週に2回、ラーメン、和菓子、スナック菓子を食べる。喫煙はやめられない。
A氏:妻の協力がなかったら、食事療法はできず、血糖コントロールは改善しなかったと思う。体重が増えてきたので、運動を増やす、ご飯の量を減らす、間食を控えるなどに留意して合併症が起こらないように努力したい。禁煙はできないが節酒は心がけたい。

症例から学ぶ ─ ま と め ─
患者は糖尿病と診断されても、多くの場合は自覚症状に乏しく、自分の体で起きている糖尿病の影響を実感できないため、すぐに病気と向き合うことが難しい。健康診断で血糖値が高いことを指摘されても放置したり、せっかく治療を開始しても中断するケースも多い。また合併症に対する知識をもっていても、自分には起こらないと楽観的に考えている患者が多い。
本症例も仕事、社会生活など多忙な毎日を営んでいるため、治療および食事療法の優先順位が必ずしも高くない。食事療法については、患者の置かれた状況、心理状態に考慮し、最初から「カロリー計算」や「禁煙」を指示すると、治療中断に結びつく可能性もあるので注意が必要である。医療スタッフは患者がもっている自己管理能力を引き出し、実行できるように支援することが大切である。本症例は半年を過ぎたころから、徐々に飲酒、外食が増え体重が増加している。最初は禁酒など生活習慣の改善に取り組んでいるが、行動変容が根付いていないため、この時点で食事指導を終了するとリバウンドしてしまう。検査結果が改善された後も本人がうまく糖尿病と付き合っていけるよう、患者の食習慣、嗜好を尊重しながら指導を継続し、本人の要望と治療の妥協点を見出すよう支援を続ける必要がある。治療中断者にならないよう、改善できた点については惜しみなく賞賛することも効果的である。
患者は糖尿病と診断されても、多くの場合は自覚症状に乏しく、自分の体で起きている糖尿病の影響を実感できないため、すぐに病気と向き合うことが難しい。健康診断で血糖値が高いことを指摘されても放置したり、せっかく治療を開始しても中断するケースも多い。また合併症に対する知識をもっていても、自分には起こらないと楽観的に考えている患者が多い。
本症例も仕事、社会生活など多忙な毎日を営んでいるため、治療および食事療法の優先順位が必ずしも高くない。食事療法については、患者の置かれた状況、心理状態に考慮し、最初から「カロリー計算」や「禁煙」を指示すると、治療中断に結びつく可能性もあるので注意が必要である。医療スタッフは患者がもっている自己管理能力を引き出し、実行できるように支援することが大切である。本症例は半年を過ぎたころから、徐々に飲酒、外食が増え体重が増加している。最初は禁酒など生活習慣の改善に取り組んでいるが、行動変容が根付いていないため、この時点で食事指導を終了するとリバウンドしてしまう。検査結果が改善された後も本人がうまく糖尿病と付き合っていけるよう、患者の食習慣、嗜好を尊重しながら指導を継続し、本人の要望と治療の妥協点を見出すよう支援を続ける必要がある。治療中断者にならないよう、改善できた点については惜しみなく賞賛することも効果的である。
①患者や家族にも科学的根拠を示すことが有効である。グラフをわかりやすく説明すると納得してもらえるので行動変容がすすみやすい。
②論より証拠。指導1か月後の血糖値、HbA1cが改善すると患者のモチベーションは上がり、その後も食行動の改善が継続する。
③最初に食べる野菜の量が増えると自然にご飯など炭水化物の量が減る。ゆっくりよく咀嚼して食べることも大切である。
④血糖値が改善してから、血糖コントロールに悪影響を与えない程度の間食、アルコールの量や摂取する時間について、患者、主治医と相談しながら長期間続けられるよう具体策を考える。



PDFをダウンロード





